英国ハマー・フィルム・プロダクションといえば怪奇の殿堂。となれば本作でも雪男が存分に暴れまわり、観る人を心胆寒からしめるストーリーが想像されよう。本日の記事左上にある日本盤ブルーレイのジャケットにもそのような意図が見え見えなんだが、本当はどういう映画なのか少々説明する必要あり。
【 仕 様 】
日本盤 Blu-ray
字幕:日本語
ブックレットなし
【 ストーリー 】
本作の困った点はポスターやタイトルで恐怖を煽っておきながら、いつものハマー・フィルムのように直球ホラー・テイストになっていないところ。よく聞かれるのが「最後の最後でしかイエティ姿を現わさないじゃないか!」「イエティちっとも狂暴じゃないやんけ!」といった批判の声。物語中盤、トム・フレンド一行の中のひとりが銃でイエティを一匹仕留めるのだけど、そのシーンしかりイエティはいつも手首から先しか映らず、雪山には何匹かのイエティが存在しているようなのだが遠吠えしか聞こえない。万人に解り易い〝More〟な演出とは対照的な〝Less〟の演出を受け入れられない人にはまったく向かない映画なのだ。
ボーナス・コンテンツが充実している北米盤ブルーレイと違って、日本盤ブルーレイは旧日本盤DVDに入っていたピーター・カッシングのハマー作品出演紹介映像はおろか、予告編さえ入っていない。何やってるんだハピネットは。
北米盤ブルーレイは本編が90分バージョンで収録され、日本盤ブルーレイに採用された85分バージョン(日本語字幕なし)はボーナスとして観ることが可能。ただ海外のフォーラムでは(この日本盤ブルーレイでは観られない5分間のフッテージがそうなのかは解らないが)「基本HD画質なのに一部SD画質が混在しているのが気に入らない」「なぜ全編キチンと最良のレストアをしなかったのか?」というクレームが上がっていた。
先日記事にしたサイレント映画「Der Hund Von Baskerville」(1929)だって、基本は35mmフィルムだけど一部失われている箇所は9.5mmパテ・ベビー・フィルムで補填していて、その部分は画質にギャップがあるんだし「The Abominable Snowman」も少々SD画質になったってかまわないのに。その他にも、向こうの人に言わせると英語字幕の付け方が手抜きらしい。日本語字幕の無い海外盤では英語字幕が頼りなのに、これではイヤだったから私は日本盤ブルーレイを買ってしまった次第。














