ラベル エドガー・ウォーレス の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル エドガー・ウォーレス の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2025年4月20日日曜日

映画『Dangerous To Know』(1938)

NEW !

KL Studio Classics   From『Anna May Wong Collection』  Blu-ray
2023年5月発売




★★   原案はエドガー・ウォーレスの戯曲「On The Spot」





エドガー・ウォーレスといったら代表作「正義の四人」どうこう以前に、かなり多作なイメージがあるけれど、私の場合「黄水仙事件」をはじめ小説数冊しか読んでいなくて、何の知識も無いに等しい。英語圏wikipedia情報によればウォーレスは1931年、あの犯罪王アル・カポネを題材にした戯曲「On The Spot」を手掛け、数ある舞台作品の中でも一際成功を収めたという。本日取り上げる「Dangerous To Know」は「On The Spot」の映画化と言えるもので、内容的にはクライム+メロドラマなのだが、その感想は後述する。




 




スティーブン・レッカは市政と財界の実力者。 このギャングの親玉の犯罪をなんとしてでも立証すべく、ブランドン警部は懐柔目的の賄賂を撥ね付け、動向に目を光らせている。
アンナ・メイ・ウォン(Anna May Wongの演じるマダム・ラン・インは他の誰よりレッカに近い存在だからか、自分のことをHostessと呼ばれようともさりげなく受け流す、そんな女だ。Hostessをストレートに訳すと女主人。体の関係こそ言及されないとはいえ愛人・情婦的な意味も含まれているだろうし、「私たち、友人だから」と言いクライマックスにラン・インが見せるレッカへの接し方には不思議と母性愛さえ滲む。




名家の令嬢マーガレット・ヴァン・ケースに目を付け自分の妻に迎えようとするレッカ。マーガレットには債権セールスマンの恋人フィリップ・イーストンがいて、さしもの犯罪王も意のままにならない。するとレッカは二人の与太者を雇い、銀行から218千ドルの債券を盗んだ犯人にフィリップを仕立て上げ、「あの男を救いたいのなら君は私の妻になるしか方法は無い」とマーガレットに迫る。制作された年代の違いもあるけど、エイキム・タミロフ演じるスティーブン・レッカは後年の映画『アンタッチャブル』でロバート・デ・ニーロが放っていた凶悪なオーラをあまり漂わせていないぶん、芸術や音楽を愛するソフトな面を持ち合わせている。




エドガー・ウォーレス原案ならミステリ映画として鑑賞できるのでは?と思われるかもしれないが、皮肉にもサスペンスで盛り上がる展開に一向なっておらず、観終わったあと印象に残るのはメランコリックな後味だけ。この映画に限ったことではなく、アンナ・メイ・ウォンの際立った存在感に対し、共演する俳優/脚本の質といったモロモロの要素が釣り合っていない。押さえるべきところを押さえていれば、私のような門外漢が観ても満足できる良質なメロドラマは作れる筈なのに。








画質は安心して観られるクオリティー。時間も70分と長くはない。犯罪とメロドラマの融合って1930年代には新しかったのかもしれないが、今観るとベタだね。日本で公開されていなさそうなマイナー映画を商品化してくれて、Blu-ray Box『Anna May Wong Collection』には感謝している。三枚組のうち「Dangerous To Know」が一番の売りみたいな扱いになっているものの、私はイマイチだった。なので今日は微笑むアンナの画像を多めにupしつつ終わりたい。

あ、スティーブン・レッカ役エイキム・タミロフの画像はupしなかったな。
本日の記事左上にあるジャケットにて一番大きく描かれているヒゲの男性がそれです。




 






(銀) 「On The Spot」は小説として日本で翻訳されていないばかりか、作品名さえ知られていないのでは?以前紹介した映画『King Kong』にしても小説化したのはエドガー・ウォーレス本人ではない。ウォーレス関連映画を記事にするのが二度目とはいえ、ラベル(=タグ)付ける必要無いよな・・・とも思ったけど、前回の『King Kong』と違って今回彼の名前を度々出している以上、やっぱりラベル(=タグ)は設定することにした。彼の作品を取り上げる機会、この先あるかなあ。
 
 

 

   エドガー・ウォーレス 関連記事 ■


映画『King Kong〈キング・コング〉』(1933)








2023年9月27日水曜日

映画『King Kong〈キング・コング〉』(1933)

NEW !

Warner Archive Collection    Blu-ray
2022年9月発売



★★★★★   Warner北米盤Blu-ray一択
   
 


ボーッとネットを眺めてたら〝『大仏廻国』、ブルーレイにて11月発売〟との告知を見つけた。「あれってフィルムが現存していたのか。いきなりブルーレイで商品化って、やるじゃん!」と勇んで詳しい情報を拾いに行くと、出演者の中に佐野史郎の名が・・・・・・・リメイクかあ。五年前にリメイク版「大仏廻国」が公開されてたって知らんかった。実際1934年(昭和9年)のフィルムが発掘されでもした日には、もっと大騒ぎになってるわな~ガッカリ。とんだぬか喜びでありました。




そんな訳で口直しに今回はオリジナル「大仏廻国」より一足早く公開され世界を驚愕の渦に叩き込んだ初代「King Kongで行ってみたい。ジョン・ギラーミン監督1976年版リメイクはリアルタイムで観た。あれはあれでまだCG以前の作り方だから良かったと思うけれども、日本の円谷プロを含むあらゆる特撮作品の古典的名作として、メリアン・C・クーパー/アーネスト・B・シュードサックが手掛けた1933年初代コングはハンパなくよく出来ている。野獣と美女のロマンスなんて生まれもしないし、コングは獣性のまま容赦なく人間を口に放り込み、あるいは踏みつぶす。叙情性に捉われることなく104グイグイ引き込んでゆくプリミティヴな在り方が、数ある後続作品と違って爽快なり。

































【 仕 様 】

北米盤Blu-ray  リージョン・フリー

字幕:  英語

ブックレットなし

 

 

【 アドバンテージ 】

1933年版「King Kong」のブルーレイは日本盤も2010年代にIVCから出ているとはいえ、IVCのディスクはどうも画質がイマイチらしい。自分は日本語吹替なんて要らないし「King Kong」に台詞の細かいニュアンスを求める必要は無いので英語字幕があればOK。IVCの日本盤ブルーレイと見比べてはいないから比較論は書けないが、私の入手したWarner北米盤ブルーレイは画質・音質共に全くストレスを感じさせないベターな仕上がりだった。

 

 

【 特典映像 】

メリアン・C・クーパーのキャリアを俯瞰するなど、かなりのボリュームで収録。オーディオ・コメンタリーでのトーク以外はすべて英語字幕付き。気の遠くなるほど手間暇かけた約一世紀前の特撮メソッドの種明かしに興味をそそられる。「ウルトラQ」によって我々日本人もその名を知る事となったオプティカル・プリンターへの言及があったり、本作のヒロイン/アン・ダロウを演じたフェイ・レイは当然ながら、レイ・ハリーハウゼンやジョン・ランディス(1983年にマイケル・ジャクソン「Thriller」ショート・フィルムを監督)なんかも顔を見せている。
















IVCの日本盤ブルーレイって、これらの特典映像を普通に収録しているのだろうか?もし未収録なら(「日本語字幕/日本語吹替なしでは洋画が見られない!」と駄々をこねる人は無視して)尚更北米盤ブルーレイを推したい。Warner Archive Collectionと題されている本盤はアメリカでは20ドルぐらいで売られている。向こうからの送料と現在の為替レートを換算しても5,000円以内(送料込み)の金額で贖うべし。円安は痛いよ。

 

 

 

(銀) 特撮にばかり目を奪われがちだけど、音楽とサウンド・エフェクトの貢献を見落としてはいけない。コングが拳で何かを殴るシーンにおいて、その動きとぴったりシンクロした音が付けられているのがチャーミング。サントラの全体的なムード作りもその後のこのジャンルの指針になってるね。音楽は本作の五年後に「Gone with the Wind〈風と共に去りぬ〉」を手掛けるマックス・スタイナー。



本日は昨年(2022年)の秋に出たWarnerの北米盤ブルーレイをオススメしたが、同じ20222月にはパッケージ・デザインこそ北米盤とは異なるものの、ドイツ盤ブルーレイのノーマル・エディションとスペシャル・エディション(「Son of Kong」「Mighty Joe Young」もまとめて収録)がリリースされている。こちらも単価はお手頃なのに送料で高くつきそうなデメリットがあるのと、Region A」「B」「C」となっていて一見日本のプレーヤーで観れそうな感じだが欧州盤は再生できない場合もありうるから、全てのコンテンツが日本の通常のプレーヤーで再生できるか、また画質などのクオリティは良好かどうか、ネットに寄せられた海外ユーザーの声を確認した上で手を出したほうがよろしいかと。





■ 特撮映像作品 関連記事 ■