「鯨」(昭和28年)
島田一男 → 鷲尾三郎 → 岡田鯱彦
「魔法と聖書」(昭和29年)
大下宇陀児 → 島田一男 → 岡田鯱彦
「狂人館」(昭和30年)
大下宇陀児 → 水谷準 → 島田一男
この三作は『狂人館』(東方社)の記事(☜)にて言及しているので、御手数だが左記の色文字をクリックし、そちらを御覧頂きたい。本巻の中でも私はやっぱり「鯨」が好きだな。
「薔薇と注射針」(昭和29年)
前篇 薔薇と五月祭 木々高太郎
中篇 七人目の訪客 渡辺啓助
後編 ヴィナス誕生 村上信彦
前篇を受け持つ木々高太郎がそれなりに状況設定を拵えており、本格派の作家なら、そこに登場している顔ぶれだけでケリを付けようと苦心して続きを書きそうなもんだが、なんと渡辺啓助は新たな登場人物・天宮寺乙彦を追加投入。そのあと彼が少なからず事件の鍵を握る存在になってしまって、池田マイ子殺しの犯人と動機を推理する物語として読むには甚くバランス悪し。
「火星の男」(昭和29年)
前篇 二匹の野獣 水谷準
中篇 地上の渦巻 永瀬三吾
後編 虜われ星 夢座海二
永瀬三吾と夢座海二が無理くりフォローしてはいるが、シリアスなオチで終わらせたいのなら、前篇の水谷準がここまでぎくしゃくしたプロローグにするのは間違っている。前篇の終りで殺人を犯した男が酔って崖から転落してしまうため、てっきり読者は「ああ、これは笑わせる方向に持っていこうとしているんだな」と思ってしまうよ。加えて大した必然性も無いのに、殺人者の男を火星人(カセイジン)などと呼ばせているのも「プリンプリン物語」じゃあるまいしダサイなあ。
「密室の妖光」(昭和47年)
大谷羊太郎/鮎川哲也
「悪魔の賭」(昭和53年)
問題編① 斎藤栄
問題編② 山村美沙
解答篇 小林久三
「京都旅行殺人事件」(昭和57年)
問題編① 西村京太郎
問題編② 山村美沙
解答編 山村美沙
「鎌倉の密室」(昭和59年)
渡辺剣次/松村喜雄
「皆な国境へ行け」(昭和6年)
伊東憲/城昌幸/角田喜久雄/藤邨蠻
「謎の女」(昭和7年)
平林初之輔/冬木荒之介
「A1号」(昭和9年)
九鬼澹/左頭弦馬/杉並千幹/戸田巽/山本禾太郎/伊東利夫
「再生綺譚」(昭和21年)
乾信一郎/玉川一郎/宮崎博史/北町一郎
「謎の十字架」(昭和23年)
乾信一郎/玉川一郎/宮崎博史/いま・はるべ
「幽霊西え行く」(昭和26年)
高木彬光/島田一男
「一人二役の死」(昭和32年)
木々高太郎/富士前研二(辻二郎)/浜青二/竹早糸二/木々高太郎