2024年6月17日月曜日

TSUTAYAに復刊ドットコム、いずれもCCC傘下の同じ穴の貉

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 日頃、総じて私達は「ツタヤ」と呼んでいるが、正確にはレンタル事業のほうをTSUTAYA(蔦屋)、書店ビジネスは蔦屋書店もしくはTSUTAYA BOOKSTOREというらしい。鬱陶しいので、今日の記事は全てTSUTAYAで通させてもらう。




 先日、仕事の出張で私のところに来られた知人のKさんと夕食を御一緒した際、TSUTAYAの話になった。本が好きなことでは人後に落ちないKさん、ネットより街の本屋で買うことのほうが多いとおっしゃる。実店舗書店にしてみれば、最も大切にしなければならない上客である。

 

 

そのKさん曰く、例えば版元で既に販売終了している本を欲しくなり、通販サイトではどこも売り切れだが、自分の住んでいる都道府県からかなり離れた地方のTSUTAYA店舗に、たまたまその本が一冊売れ残っていたとする。でもTSUTAYAの場合、最寄りの店舗へ取り寄せて購入したくともフランチャイズ等の区分けがあって、ジュンク堂や紀伊國屋等のように、どこの他店舗からでも取り寄せができる訳ではないそうだ。

 

 

「何のための全国展開なんでしょうね?」とKさんが口にする数々のTSUTAYA批判はことごとく的を射ており、書店としてTSUTAYAを評価していない私にも、思い当たるフシが多々ある。在庫検索システムなんて、まさにあの会社の本質を表しているのではないか。非常に使いづらく不親切だったとはいえ、以前はTSUTAYAwebサイトにて、全国どこの店舗の在庫でも、状況を確認することは可能だった。ところが最近はスマホにアプリを入れなければ、在庫検索ができない。携帯嫌いの私にとって、こんな事でアプリを強要してくる企業など下の下でしかない。

 

 

TSUTAYAの母体は、CCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社)という。2000年代半ば、〈すみや〉〈新星堂〉など歴史のあるドメスティックなレコード・CDショップのみならず〈ヴァージン・メガストア・ジャパン〉まで我が物顔に吸収していった頃から、なんとなく私はCCCに対して嫌悪感を持つようになっていた。多くの日本人がCCCの本性を知るに至ったきっかけは、彼らが2013年以降、各地の公共図書館へ触手を伸ばし始め、運営受託の名のもとに図書館を次々と内部破壊していった事による。

 

 

この事業に、最初から強く異議を唱えていた人は少なくなかった。案の定、CCCを指定管理者にした結果、最も大切に保存すべき郷土史資料などは真っ先に廃棄処分され、施設本来のあり方はそっちのけ、オシャレ空間最優先のTSUTAYA図書館にされてしまっている。そればかりかCCCの傘下にあるネットオフ(これも元はブックオフの暖簾分けみたいな会社だった)によって、ダブついた不良在庫のゴミ本を押し付けられ、惨憺たる状態。佐賀の武雄市図書館や神奈川の海老名市立図書館は、今どうなっているのだろう?「地方自治体の人間がアホすぎるから」と言ってしまえば確かにそうなのだけど、綺麗ごとを並べて擦り寄ってくるCCCこそ、諸悪の根源じゃないのか?

 

 

 

 

 あと、どうしても触れておかねばならないのは、やはり復刊ドットコム(☜)何度か私のBlogで取り上げているこの会社も、スタート時は楽天と手を組んでいたが、今ではCCCグループのカルチュア・エンタテインメント100%株主。市場から姿を消してしまった作品や書籍の復刊を売りにしているのだが、作業のためにコストがかかるとはいえ、設定価格は一般ユーザーを全く無視している。その点に目をつぶったとしても、〝完全復刻!〟などと謳っておきながら、昭和ゆえの表現にいちいち余計な言葉狩りなど自主規制を行うので、高額な価格に見合わぬ欠陥商品に終わっていることが多い。



~下の画像もクリックすれば、拡大して見れます~





 









このような偽善臭漂うコンプライアンスは、親会社CCCからのお達しだと私はニラんでいるが、皆さんはどう思いますか?参考までにリンクを張っておくので、ぜひ過去の復刊ドットコム絡みの記事も読んで頂きたい。

 

 



 



 

手塚治虫作品をスポイルする自主規制の元を追ってみた  

 

 

 

 

 かつてのTSUTAYAといえば誰だか知らない女性シンガーの歌う、既存のヒット曲のボサノバ風カバー店内フロアに流し、オーガニックさをアピールする程度の雰囲気作りだった。それがCDDVDレンタルの衰退を見るや否や、カフェのスペースをこれでもかと拡張したり、書店とはまるで関係の無いものばかり売っている。書店/図書館に関わらず、うわべだけコージーに見えても中身は空っぽのTSUTAYA戦略を「おしゃれ~」とか「斬新~」とか喜ぶ田舎者がいたりするから、余計に彼らは図に乗ってくる。


 

超大型店のTSUTAYAがあるような中心部にお住まいの方は、他の大手書店も必ずそれなりの店舗を構えているだろうし、本の品揃えにストレスを感じることはあるまい。しかしそうでない地域に暮らしている方、特に本のお好きな方は、現物をあれこれ手に取って見ることができず、不便極まりないと思われる。そういう環境に置かれている方が「たとえショボい品揃えでも、自分の行動範囲にTSUTAYAが一軒あれば助かる」と考えてしまうのは仕方のないことだ。それこそ紙の本を必要としているユーザーの役に立つ企業になりうる筈なのに、あくどい真似をしてまで各方面に害を為すCCCを、私はこれっぽっちも信用していない。







(銀) 県立や市立の図書館のそばに幼児~小学生向け「こども図書館」を見つけたりすると、一見とても子供の教育に熱心なように映るけれども、その実TSUTAYA図書館と同じく、本来あるべき資料の所蔵と提供を放棄するため、ガキを隠れ蓑にしているんじゃないのか・・・と、つい詮索してしまう私である。







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