全ての巻をまだ売り切っていないのに、やっぱり「火の鳥」はマネーになるのだろう、2020年になるとプライスダウンしたソフトカバーA5判全12巻が再び発売される。私なんかは「火の鳥」に対してそこまで思い入れも無いし、一冊が7,000円以上もする昨今の豪華本コミックス商法には疑念を抱いているので、様子見するつもりで『04 鳳凰編』のソフトカバー版を入手してみた。もともと「鳳凰編」2011年版の函のデザインも好ましいと思ってなくて、ソフトカバー版の落ち着いたカバーデザインのほうがずっと良い。(2020年ソフトカバー版『04 鳳凰編』の価格は4,290円)
2011年の函入りハードカバー『火の鳥(オリジナル版)/04 鳳凰編』
先程も述べたように、この復刊ドットコム版は雑誌『COM』に連載された時の初出ヴァージョンを初めて単行本化したものゆえ、通常の単行本では見ることのできない各回の扉絵が元通り収められているし、コミックス収録にあたって手塚治虫が加筆・修正するその前の構成が楽しめる。「火の鳥」は妹が昔持っていた90年代の角川文庫版以来の再読だったのもあって、異なるヴァージョンで読めるのは嬉しいものだ。
復刊ドットコムって復刻・復刊が主力だろ?「火の鳥」にやらかした要らざる語句改変が果して手塚プロダクションのルーティーンなのか、それとも復刊ドットコムの方針なのか、私には解らないが、どっちにしろこんな高すぎる価格を設定しといて言葉狩りが当り前なら、心底許すべからざる会社だ。もし機会があったら、他の本もチェックしてみないとな。
(銀) 私のBlogで取り上げてきたマンガは、内容的にはどれも皆好きなものばかりなんだが、ポリコレ自主規制のもとで再発されたコミックスは減点せざるをえないのがツライ、というか腹が立つ。復刊ドットコムの『火の鳥』なんて【オリジナル版】と言っているのに語句改変って、詐欺じゃん?こんな風に昭和のマンガは探偵小説とは比べものにならないほど言葉狩りの標的にされ、正しい形でリイシューされる機会は殆どない。「発売当時のまま!」とか、「オリジナルどおり!」とか、嘘っぱちの売り文句に騙されてはいけない。
まったくテキスト校閲をしていない善渡爾宗衛のゴミ本を買う奴らもそうだが、こういう欠陥品を考えなしにホイホイ買う莫迦が多いのも問題だね。LGBTとかやる必要のない法案など全部チャラにして、ポリコレ自主規制病から日本の創作物を守ってくれるような、正常な感覚の政治家が誰かひとりぐらいいないのか。
★★★★★ 誰でも気軽に買えないような売り方は嫌だが内容的には満足 (☜)