2021年10月19日火曜日

図書館は郵送複写サービスがそんなにもイヤなのか?①

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福岡県立図書館




◆ 福岡県立図書館の郵送複写サービスが
              以前と比べて劣悪になっていた!





国内の古い新聞に連載された小説の複写コピーを入手する機会というのは、たかが知れている程度の回数だけど私にもありまして。

自分で手元に置いておきたい小説が載っている古雑誌なんかも、昔は「部分的にコピーで済ませばいいや」と思っていたのだが、何度か某文学館へ郵送複写を依頼するたび、窓口となる担当者がいつも同じ鬱陶しい奴で、そんな人間と毎回やりとりを重ねるのは不毛だったし、単に趣味なのだから複写コピーを手に入れるのに慌てる必要など無い。

だったらいっそのこと、目当ての古雑誌をたまたま見つけた時そっくりそのまま一冊買っちゃうほうが賢いのではないか?ある時そう悟って、以来よほどの hard to find な難物でないかぎり、読みたい小説の載っている古雑誌は現物を買うようにし、コピーでの入手は止めてしまった。

けれども古い新聞となると、全国紙なら縮刷版を出しているからそれに当たればいいが、地方紙ではそういう訳にはいかないから、どうしても所蔵機関に複写を依頼する必要が出てくる。







Blogでは2021723日から103日の記事にて、戦前の地方新聞に連載された長篇探偵小説「女妖」(江戸川乱歩/横溝正史)のテキスト検証を行った。それをやるためには、小説が掲載されている昔の新聞のコピーを図書館へ複写依頼して入手しなければならない。

そのサービスを利用するのは久しぶり。最後に図書館や文学館へ文献複写の郵送依頼をしたのはもう何年前の話だったけ・・・などと悠長な気分でいたら、図らずも今回Blogのネタとして絶対書いておかなければ」と怒りたくなるような状況に出くわしてしまった。そっちがそう来るなら・・・ということで『クローズアップ現代』ばりに問題提起すべく、本の話は一時休止して全国の図書館に噛み付いてやろうと思い立ったのであります。

れから書く事は、図書館の郵送複写サービスを普段しょっちゅう利用している人にとっては何という事もない、わかりきった事実かもしれない。でも、このサービスをまだ一度も使った事のない方、私のようにここ数年利用していなかったせいで以前とは状況が変化、いや悪化している事にまだお気付きでない方もきっといらっしゃると思う。そんな方々に向けて、サービス低下が著しい図書館のの現状が伝われば幸いだ。






 先に挙げた「女妖」という作品を書籍化したのが春陽文庫『覆面の佳人 或は「女妖」 』で、その底本には「覆面の佳人」のタイトルで連載された初出新聞『北海タイムス』のテキストが用いられているようだったから、春陽文庫と比較するテキストには『北海タイムス』以外の新聞を使ってみたい。それで『九州日報』のコピーを入手する事に決めた。

古雑誌の郵送複写依頼に関し、某文学館の担当者が実に塩対応だったとさっき書いたけれども、新聞小説の郵送複写依頼に関しては、運が良かったのか、今迄どこの図書館でも普通にトラブルの無い対応をしてもらった記憶しかない。(いつも手順はいちいちメンドーだなぁとは思うが)

複写依頼先で最もボーダイな所蔵を持つ機関といったら当然国会図書館になるのだが、あそこは日本全国かなり多くの人が複写依頼をしていそうで、私は一度も利用した事が無い。ていうか、なんとなく避けていたかも。雑誌と違って新聞だったら発行していたご当地の図書館に申請するのが好ましく、毎回そのやり方を続けてきた。

 

 

 

♰ 『九州日報』は福岡の新聞である。
この新聞を複写依頼できる所蔵機関をネット検索してみたら、過去にも利用した事のある福岡県立図書館に所蔵があったので、ここに申請した。そしたら福岡県立図書館の「ふくおか資料室」というセクションを担当しているらしい K という男性から返信メールが送られてきて、それを見た私は目を疑った。その文面の肝心な部分をご覧頂こう。下線は私によるもの。


 

「当館では、郵送複写サービスの受付は、110件までとなっております。
この10件というのは、今回の連載小説の場合、10日分ということになります。

 

流れといたしましては、まず受付後1週間以内に最初の10件分の見積書を作成し、
依頼者様が見積内容を確認後、代金と依頼書(見積書に記入項目が印刷されています)を当館に発送していただき、代金が到着したのち、こちらから発送するという形になります。
1回目の複写物の発送が完了したのち、
2回目のご依頼が上述と同じ流れで始まることになります。
3回目以降も同様です。」

 


はあ? 1回の依頼で連載小説の場合は10日分?
2016年の秋に福岡県立図書館へ戦前の『福岡日日新聞』に半年間連載されたある長篇小説の郵送複写をお願いした時には、そんなおかしな制限なかったぞ。なんで、たった10日分(=10回分)しか受けてくれなくなったのか?
すぐさま私は五年前、貴館にじような新聞連載小説半年分の郵送複写をにお願いした時は、郷土資料課のTさんという方が一度の申請で何の問題もなく全回分複写して下さいましたが、何故このような制限をなさるのでしょうか?」と質問メールを送った。しかし、その「ふくおか資料室」のKという担当者は納得のいく説明をするつもりがさらさら無く、「当館までお越し頂ければ・・・」などと再びメールに書いてよこしてきた。

アホか、サクッとそっちに行けるようだったら、とっくに行っとるわ。
(特に、この申請をした時はコロナによる全国の規制がまっさかりだった)
福岡まで行ってられないから、こうしてお願いしてるのではないか。




(銀) 全部で180回近くもある長篇の複写を申請するのに、18回にも分けて郵送複写依頼などしていられるか。手間もしかり、どんだけ送料がムダになると思ってんだ?





(☜)へつづく。