1945年以前の朝鮮半島は日本の統治下におかれ、多くの内地人が向こうへ渡り、現地の人と共生していた。そんな時代の彼の地において日本語で書かれた探偵小説を集めた書籍が2014年に韓国から刊行。ところが入手してみて困ったのは、収録作品のテキスト部分はすべて日本語表記で、当時の掲載文献から転載した要するに影印本だから問題はないのだけど、解説部分が韓国語オンリーで書かれているためチンプンカンプン。
佐川春風(森下雨村)、江戸川乱歩、伊東銳太郎以外の人は素性がさっぱり解らなくて少し調べてみた。
資料としては大変貴重なものなんだが、同人誌でなく総合誌に載ったものにしては如何せん素人レベルの投稿ばかりだし、現代の日本で発売されるアンソロジーへこれらのものが収録される事はまずないだろう。乱歩の「探偵趣味」も雨村の「寶石を覘ふ男」も当人の許可無く流用されているように見えるし、伊東銳太郎の翻訳も同じようなケースなのかもしれない。
(銀) この本は韓国の書籍を扱っている書店で今でも買えそうな感じだし、もしネット上で古書を見つけても6,000円以上のボッタクリ価格で売られていたら絶対手を出すべからず。
当時といわず戦後の内地でも朝鮮人が日本名に変える例はよくあるから、本書の作家がどこまで内地人でどこまで朝鮮人だったかをハッキリさせるのはかなり困難。台湾の探偵小説として林熊夫(金関丈夫)の記事を書いた時に、はじめは「探偵小説的にも韓国人より台湾の人のほうが親しみが持てる」というタイトルを付けようとしたが、第三者がその記事を読む際によく伝わらないだろうなと判断して変更、その代わり台湾篇に続き補助的に韓国篇の記事も書いてみた。とにかく現在の韓国人のような「日本憎し」に凝り固まったマインドで、司法判決さえも理知的ではなく感情に左右されるような国民に民主主義の象徴である探偵小説を理解できる筈がない、と私は申し上げたい。
統治される側だった身として、色々言いたいことがあるのは私とて理解できる。だからといって国家間の取り決めを平気で破ったり、日本の寺にあった仏像を「我々の国から奪った」などと言って盗んで持ち帰ったり、スポーツの国際大会やオリンピックで政治スローガン丸出しな礼儀の無い態度を取ったり、元々韓国を嫌いでなかった人々までも嫌いにさせるような行動を止めないから、日韓は救いようのない関係へ成り果てるに至ったのだ。
日本に統治された国は韓国以外にもある。その国の人達だって日本に言いたいことはきっとあるはず。でも彼らが韓国人のような態度を取らないのは、未来の方向を見て生きているからだ。「(日本と韓国の)加害者と被害者のいう歴史的立場は、1000年の歴史が流れても変わることはない」という朴槿恵の迷文句がある。こんな風に過去しか見ず言い掛かりしか発信しない韓国人に対し、いくら日本人が世界一おめでたい人種とはいえ「仲良くしましょう」と我々が歩み寄るよう望むのは、お門違いも甚だしい。〝詫び〟でも何でも、相手に何か求めるものがあるなら、まずその前に互いの信頼を構築するのが人間関係における基本中の基本であろう。