2025年3月21日金曜日

映画『The Thief Of Bagdad〈バグダッドの盗賊〉』(1924)

NEW !

Cohen Media Group      Blu-ray
2016年7月発売



★★★★  初代「キング・コング」の倍の製作費を投じた
      特撮ファンタジー




1933年に公開された「King Kong〈キング・コング〉」(☜)の製作費は67万$だった。本日取り上げるサイレント映画「The Thief Of Bagdad〈バグダッドの盗賊〉」(1924年公開)はなんとその倍の113万$!Anna May Wong(アンナ・メイ・ウォン)フィルモグラフィーの中でも飛び抜けて贅を尽くした大作である。主演のダグラス・フェアバンクスはプロデューサーを務め、スクリプトも手掛けるほど この作品に全力投球。クラシック映画ファンの間では今でも〝フェアバンクスの最高傑作〟〝第二次大戦以前の特撮映画史に輝く一本〟と評価されている。下の画像だけでは分からないだろうが、フェアバンクスのしなやかな動きと肉体美は見事。





 
盗賊アーメッド
(ダグラス・フェアバンクス)


 

【 仕 様 】

リージョン・フリー(日本のBDプレーヤーで再生可能)
12頁のブックレット付き

 

【 字 幕 】

サイレント映画なので無し(特典コンテンツも同様)

 

【 特典コンテンツ 】

撮影の裏側を追ったダグラス・フェアバンクス・フォト・ドキュメンタリー(17分)

2012 Restoration trailer (3)

オーディオ・コメンタリー

 

【 出 演 】

盗賊アーメッド                             ダグラス・フェアバンクス

アーメッドの仲間                         スニッツ・エドワーズ

王女(カリフの娘)                         ジュラン・ジョンストン

バグダッドの指導者(カリフ)          ブランドン・ハースト

聖人(イマム)                               チャールズ・ベルチャー

侍女                                           アンナ・メイ・ウォン

モンゴル王子                                             上山草人




 
侍女(アンナ・メイ・ウォン)         モンゴル王子(上山草人)




【 ストーリー 】

中近東の都バグダッド。欲しいものを意のままに盗むのが身上の盗賊アーメッドはカリフの宮殿に忍び込み、美しい王女と出逢う。最初のうちは否応なく王女を攫うつもりだったが、彼の心の中に変化が起こる。

王女の誕生日、モンゴル王子/インド王子/ペルシャ王子が求婚のため宮殿を訪れるというのでアーメッドも変装し、求婚者の一人になりすまして参上。この奇妙な盗賊を憎からず思っていた王女は彼を結婚相手に選ぶものの、アーメッドは包み隠さず自分の素性を告白してしまう。一方アーメッドの正体を知っている王女付きの侍女(アンナ・メイ・ウォン)はカリフに注進。その侍女はモンゴル王子の放ったスパイゆえ、王女とアーメッドを結婚させる訳にはいかないのだ。アーメッドは捕えられ刑罰を受けるが、王女は衛兵を買収、秘かにアーメッドを逃がしてやる。

三人の王子の中から相手を選ぶよう主張するカリフ。やむなく王女は〝世にも珍しい贈物〟を持ってきた者を迎え入れると言い放つ。進退窮まったアーメッド、聖人(イマム)の教えを受け、命を賭して究極の宝物を持ち帰るべく旅に出る。しかしその間に、バグダッドを手中に収めんと水面下で画策していたモンゴルの軍隊が強襲、宮殿は占拠されてしまう。





空飛ぶ絨毯が宮殿の中へ・・・





アラビアン・ナイトをベースにしたエキゾティックな物語なのでディズニー・ランドのアトラクション・ムーヴィーにぴったり合いそう。148分は私にはちょっと長いけれど、1920年代でこの豪華なセットは凄すぎる。大阪万博のパビリオンよりはるかにゴージャスなのではないか?また怪獣の美術造形もよく出来ており(上段右側の画像を見よ)、特撮など一見の価値あり。役者で言えば、上山草人が日本人とは思えぬ風貌になりきって悪役モンゴル王子を怪演。草人の演じる役はアンナ・メイ・ウォン同様、非常に偏りのあるものが多かった。





「The Thief Of Bagdad」が上山草人にとってハリウッドで名前を売る突破口となったように、ラオール・ウォルシュもこの作品を監督し、そのステイタスを一躍アップさせている。特撮映画の歴史を振り返れば、ドイル原作「The Lost World〈ロスト・ワールド〉」の公開が本作の翌年(1925年)、ドイツにおける「Metropolis〈メトロポリス〉」の公開は1927年。それを考えるとたいしたものだ。アンナ・メイ・ウォンの出番が全体の半分以上あったら、躊躇いなく満点にしていたのに。






(銀) 万人向けのファンタジーは私の趣味じゃないし、それこそアンナ・メイ・ウォンありきで観た映画である。とりあえずどんなもんか試してみたいという方は、ネット上に動画がアップされているので、そちらをどうぞ。