2023年10月30日月曜日

『怪奇製造人』城昌幸

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岩谷書店
1951年11月発売



★★★★    ナインチンゲールって何?




ショートショート集のすべての収録作に細かく言及していると煩雑だから、一篇ずつ私の好みを高評価な順に記号(〇>△>▲でマーキングしてみた。作品によっては一言コメントあり。

 

 

「その暴風雨」 

「怪奇製造人」 

上の二篇は単行本に入る頻度が高く、代表作と言ってよかろう。

都會祕」 

「神ぞ知食す」 

「夜の街」 

 

 

「妄想の囚虜」 

「寶 石」 

「月 光」 

この作品、殺し方が洒落てて好きなんだけど気になる点があって。登場人物が語るセリフの中で「ナイチンゲール」という言葉が計五回出てくるのだが、本書の場合二回目までが「ナイチンゲール」、三~五回目は「ナイチンゲール」になっている。参考までにちくま文庫/怪奇探偵小説傑作選4『城昌幸集 みすてりい』では一回目~四回目までが「ナイチンゲール」で五回目のみ「ナイチンゲール」と表記。どういう事よ?

本来「ナイチンゲール」とは作者自身が意図した表現なのか?それとも誤植?
もし「ナイチンゲール」表記が間違いでないのならばどのパターンが正解なのか、私の読解力では突き止めきれん。

「晶 杯」 

「シヤンプオオル氏事件の顚末」 

この作品の舞台が外地ではなく内地だったらではなくにするかもしれない。

 

 

「死人の手紙」 

「模 型」 

「老 衰」 

「吸 血 鬼」 

「當世巷談」 

 

 

「罪せられざる罪」 

「戀の眼」 

「燭 涙」 

「復活の靈液」 

「人 花」 

 

 

「光彩ある絶望」 

〝不幸の手紙〟って今でもある?私は一度も受け取ったことがないけれど。

「都會の怪異」 

「五 月 闇」 

「不 思 議」 

「ヂヤマイカ氏の實驗」 

探偵小説には時折コメディみたいな発想が生まれる。シュールといえば聞こえはいいが、この作品なんかもお笑い番組ぽい馬鹿馬鹿しさが良いのやら悪いのやら。





(銀) ふと思ったのだが、城の時代小説で一番良いものとなると結局「若さま侍」に落ち着いてしまうのかな。「若さま侍」とはまったく異なる路線で、猟奇的なおどろおどろしい時代物の長篇とか埋もれていないだろうか。城に限らず時代小説はそんなに読んでいないから、その辺の知識を私は持ち合わせていない。




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