さて、「捕物出版/大陸書館」主宰・長瀬博之の twitterでの最近の投稿(☟)を見てもらおう。この人物が日常どのような事をSNSにて発言しているのか、全て御覧になりたければこちらを。
〝「誤字、送り仮名の揺れなどに神経質な方にはお勧めしません」と書誌に明記しました。数人の面倒な方々のために、余計な手間がかかります。〟だそうだ。
「どんなテキスト入力をしてどんな本であろうと、自分は正しい。何か指摘をする者がいたら、そいつら(=例えば私)は皆面倒な人間だ。」と仰せになる。このお方は大陸書館を始める時にまるで鬼の首でも取ったように〝魔子鬼一「牟家殺人事件」を収録した過去の単行本は、どれもこれも重要な登場人物名にミスがあり、それを正す為にこの作を第一弾として出すのだ〟と広言しておられた。現にいま、大陸書館の近刊をお持ちの方は巻末の既刊リストを見れば『牟家殺人事件』の紹介文にも「登場人物名の間違い云々」とアピールしているのが確認できる。大手出版社の本に比べると自分の作った本のミスの数は許容範囲だとか、他人の作った本には徹底して厳しいのに、自分の本にはひたすら甘い姿勢。なんだか我々がどこかでしょっちゅう見かける光景にも似ている。
2012年に光文社文庫/ミステリー文学資料館(編)としてリリースされた『「宝石」一九五〇 牟家殺人事件』に再録された同作に対しても長瀬は「間違いを相変わらず修正してないし、著作権継承者を探しもせず印税を払っていないから、これは海賊版だ。」と twitterで息巻いていた。それを見てミステリー文学資料館名義の本に関わっていた新保博久が「海賊版はお言葉が過ぎましょう。ちゃんと光文社は印税を収めています。」と説明したにもかかわらず、長瀬から返ってきた言葉はこれ(☟)。他人から何か云われたら即「言葉の暴力だ!」などとキレるのに、新保氏や光文社への自分の言動は「言葉の暴力」には当たらないのか。
言っとくけど私は新保氏の知り合いでも味方でもない。いつの間にか長瀬はあたかも自分を被害者ぶって「私を責める人が」などと怒っているが、一方的にキレているのが長瀬のほうで、責められているのはむしろ新保氏にしか見えない。最初に〝「牟家殺人事件」の発売はよしたほうが良いでしょう〟と言ったのは新保氏だから、言われた長瀬を擁護できる点はあった。それにしたって、このあと新保氏は大人しく引き下がっているのに、ダメ押しするかのようなこの言い方(☟)はどうなのか。
更には①の記事にて紹介したtwitter発言以外にも、甲賀三郎『劉夫人の腕環』に収録されている作品を、私が〝「こういうのは探偵小説ではない」と言った〟としつこく繰り返しておられる。確かに『甲賀三郎探偵小説選Ⅱ』の記事にて「もっと良い作品があるのに何故こういうセレクトを?」だとか『甲賀三郎探偵小説選Ⅳ』の記事では「みな甲賀三郎が目当てで買うのだし、彼の作品は未だに現行本に未収録の作品が沢山あるのだから、甲賀の娘さんの作品は彼女単独の著書に収録するべきでは?」等の発言なら間違いなく書いているので、どうぞ気の済むまで私を批判するなり罵って下さっても構わない。
しかし、ココの甲賀関連記事をズラッと見てもらえればわかるけれど、『劉夫人の腕環』に収録されているような甲賀の作品群を「これは探偵小説じゃないから嫌だ」なんて、いったいどこで私は発言しているのでしょう?自己反省の糧にするので、お手数ですが教えて頂けないでしょうか。むしろ「カシノの昴奮」なんかはせらび書房『外地探偵小説集』に是非選んでもらいたかったと書いているくらいなんですが。それとも誰かに吹き込まれましたか?
思い返してみると自分のレーベルを立ち上げた時から長瀬が執拗に「書評の類いはお断りする」と言い続けてきたのは再発する作家と作品を守るためでもなんでもなくて、ただ単に自分のミスが露顕した時、他人に指摘されるのが不服だった、そうとしか映らない。「イヤなら買うな!」「イヤなら読むな!」自分を省みる余裕の無い人間が最後に吐くセリフを遂に吐いておしまいになられた。そうこうしているうちに天の審判か大衆の審判か知らんけど、予想もしていなかった裁きが貴方に下されないといいですけどね。
♰ 古本でも新刊でも内容ではなく「この本はレアだから将来カネになる」という目的で、読みもしない本まで買い込んで整理もせず、ゴミ屋敷状態になった本の山をネットで自慢する古本狂いの拝金主義。
♰ 古書の即売会が行われているデパートで、他の客を突き飛ばして会場に駆けつける事を自慢げにヘラヘラ笑っていた年寄りの書痴。
♰ 日本の古本屋や即売会で仕込んだ古本を、ヤフオクで高く転売するミステリ評論家。そして、それにすぐ釣られる莫迦ども。加えて、この評論家を古本神などと崇める腰巾着。
♰ まがりなりにも本を作るのが仕事の筈なのに、他の事(twitterなど)が最優先な、別のミス テリ評論家。
こういった連中を中心に、探偵小説再発本や探偵小説関連古書の世界は回っている。あと・・・いつだったかな、平山雄一が自分で翻訳したマニアックな海外ミステリの出版をプレゼンしたらそれは拒否したくせに、後になって平山氏のアイディアだけを盗用し、別の翻訳者を使ってぬけぬけと新刊リリースしていた某出版社とか。
これだけでも十分アレなのに先日の、左川ちかの詩集刊行を企画していたらどこぞの古本屋周辺人物に妨害される被害を受けたという島田龍の報告を知った時には、流石に私も「コノ・ギョーカイ・モ、イヨイヨ・オワリダナ」と情けなくなった。今時恫喝なんて、ある元・女性タレントぐらいしかやる奴いないだろと思っていたら・・・甘かった。いや、煽り運転実行犯とか全国にいるからそうでもないか。島田氏制作中の左川ちか全集は無事リリースされそうな気配なので、それはよかったけど。
この記事をご覧になられた方のうち、お身内あるいはお知り合いの御先祖の中に、もしも小説(特に探偵/SF/時代もの)を書いていらっしゃった方があれば、どうか教えてあげて下さい。ある時、急に「そちらの〇〇さんの小説を復刊したいんですけど」などと言ってくる者がいても「ワア、本を出してもらえるんだ」と喜んですぐOKを出さず、しっかりその相手を確認してから御返事して下さい、と。
この世界に通じていないとなかなか対処しにくいとは思いますが、私のBlogもその見極めの一助になれば幸甚です。世の中には他人の書いた小説を誤字誤植だらけのまま平気で世間に売り捌いている人間が実在しているのですから。
そして今回の主役・長瀬博之氏へ。「自分の本について入力ミスとは絶対に認めない!感想その他一言たりともお前は口にするな!自分の本は一切買うな!」という貴方の無礼極まりない御申越し、ご希望に沿うようそのとおりに致しましょう。OCRで入力がどうとかおっしゃっていましたが、普通の口調で〝これこれこういう理由によって「わしにはよじ登る事ができね」みたいな文に変換されてしまったんだよ〟とでも仰っていれば私も「ああ、そうでしたか。これは大変ご無礼致しました」とお伝えしてましたよ。機械がどのような読み取りをしたら「輪」が「輸」になるのか、読者には想像もつきませんが。日下三蔵ともせいぜい仲良くして、全国一千万の貴方の読者のため、健康には気を付けて頑張って下さいませ。なお第二第三の私といいますか、貴方の本の愛読者がこれ以上減りませぬよう草葉の陰からお祈りしています。あらあらかしこ。