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テキスト入力もろくにできないのに、打ちあがったテキスト・データを再チェックして見返す事さえせず、読めたものではない本を乱発している連中、そしてそんなゴミみたいな本をありがたがる程度の低いユーザーが棲息していることは度々お伝えしてきましたね。一方で、この十年に亘り、昔の少年少女小説を復刊するのはいいけど、その作品の内容及び発表された時代をまるで考慮していないカバー絵を着させて本を出す輩なんてのもいるんです。
どういう絵かといえば、俗に言うラノベ絵/マンガ絵みたいな感じ。十代や二十代前半の若い子なら、こんなタッチでファンジンだったり同人誌を作ってしまうのも仕方ない。しかしこれからお見せする本の装幀のサジェスチョンを行っているのは、いかにもアニオタ然とした加齢臭漂う五十代以上のオッサンやジイサン。別にね、ラノベだろうがアニメだろうが各自その世界の中でハマって楽しむぶんには誰も文句は言わない。されどいくらジュブナイル作品とはいえ、彼らのヴィジュアル趣味を探偵小説の復刊にまでゴリ押しするのはいかがなものか?もっともこういうのってミステリ・SF以外の小説でも顕著なんだろうけど。
そんなオッサンやジイサン達のイタイ感覚によって近年復刊されてきたジュブナイル本の書影を見てもらう。言っとくけど以下紹介している小説が発表されたのは今から半世紀以上も前、大正~昭和前期にかけての話である。それを踏まえた上でこれらの書影を御覧になってアナタはどう思いますか?
『少年科学探偵』小酒井不木
(真珠書院/パール文庫/2013年刊)
『あらしの白ばと』西條八十
(河出書房新社/2023年刊)
『西條八十集 人食いバラ 他三篇』西條八十
(戎光祥出版/少年少女奇想ミステリ王国1/2018年刊)
『怪魔山脈』西條八十
(盛林堂ミステリアス文庫/2018年刊)
『あらしの白ばと 赤いカーネーションの巻』西條八十
(盛林堂ミステリアス文庫/2015年刊)
『怪星の秘密 森下雨村空想科学小説集』森下雨村
(盛林堂ミステリアス文庫/2017年刊)
『シャーロック・ホームズ ジュニア翻案集』北原尚彦/編
(盛林堂ミステリアス文庫/2022年刊)
テキスト入力後のチェックが全然なされていない本だけでなく、こっち方面にも盛林堂書房及びあの店にズブズブな顔ぶれが深く関わっており、たいていの方は「またこいつらか」と思われたでしょうね。
(銀) 盛林堂書房が自主制作本の販売を始める前は、角川やポプラ社が先頭切ってこういう勘違いなカバー・デザインを推進していた。その一例を下のリンクからどうぞ。
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