☽ いまだに自らを何ら省みる事もせず【校正無視】【校閲無視】のゴミ本をあつかましく売り続けている善渡爾宗衛/杉山淳/小野塚力。今度は翻訳者として知られる伊東鍈太郎の創作短篇集を出してきた。
「怪盗青環組」「闇に浮かぶ顔」「撮影所に来た死人」「死の舞踏」
収録された四篇とも昭和32年の雑誌『オール読物』に発表されたものらしいが、ミステリというよりドンパチ系のアクション犯罪小説でしかなく内容について取り上げるべき点は無い。せめて本書のテキストがごく普通に入力されているのならこちらも少しは良いところを探しもするが、盛林堂書房とズブズブのレーベル東都我刊我書房だからいつもどおり誤字脱字のオンパレード。本文レイアウトには後藤浩久とクレジットあり。
☽ 四篇全てにあるテキストの変な箇所をすべて拾うのもアホらしい。冒頭の「怪盗青環組」に発見される【校正無視】【校閲無視】な箇所のみを御覧に入れる。お断りしておくが下記に示すガタガタの日本語は全体でこれだけなのではなくて、たった一短篇の中にこれだけの誤字脱字が存在しているのだ。もちろん他にも、著者ではなく本書の制作者がやらかしたと思しき妙な送り仮名が満載で、まともに読める代物ではないのもいつもどおり。(下線は私=銀髪伯爵による)
8ページ10行目
アザのようなもを認めた。 (✕)
アザのようなものを認めた。
(○)
9ページ11行目
夜が手足をキリッとしばられ (✕)
夜警が手足をキリッとしばられ
(○)
14ページ6行目
昨日とへ大型トランクをもった男が
(✕)
昨日ここへ大型トランクをもった男が (○)
18ページ3行目
これは女のかられる仕事ではありません (✕)
これは女のかかわれる仕事ではありません (○)
19ページ6行目
若い男女はちょっと意味ありげな絆をかわしながら
(意味わからん)
19ページ7行目
垂花模様の分厚いカーテンでしに (✕)
垂花模様の分厚いカーテンごしに
(○)
23ページ3行目
たゞてさえ畸型な顔が (✕)
たゞでさえ畸型な顔が (○)
25ページ5行目
取とめがなかった。
(〝取留め〟とするかもしくは〝とりとめ〟だろ)
26ページ8行目
賀氏は二度よみかえしてから、 (✕)
甲賀氏は二度よみかえしてから、 (○)
27ページ17行目
しかし、こ数ヶ月来 (✕)
しかし、ここ数ヶ月来 (○)
28ページ16行目
甲賀氏主人もぱっと床に身をふせて (✕)
甲賀氏も老主人もぱっと床に身をふせて (○)
40ページ4行目
鼻のつぶれたた男が (✕)
鼻のつぶれた男が (○)
41ページ2行目
裁判長のように裁とうとしている (✕)
裁判長のように裁こうとしている (○)
42ページ7行目
これは何というこだろう! (✕)
これは何ということだろう! (○)
というクソみたいな東都我刊我書房のテキスト入力ですわ。しかも、表紙の著者名は伊東鍈太郎としているのに奥付では伊藤鍈太郎になっている。善渡爾宗衛は巻末で〝伊藤鍈太郎(一九○一~一九六三)は、ペンネームに、伊藤鍈太郎、伊東鍈太郎、道本清一郎などがある。本名を、道本清一という。〟と書いている。病弱と孤独感により伊東鋭太郎が入水自殺した記事を紹介している藤元直樹の「伊東鍈太郎の死」という研究ブログを読むと善渡爾宗衛の上記の記述は間違いではなさそうだが、伊藤の筆名を使っていたのはキャリアの始めの頃であり、本書の奥付へ表紙とは異なる伊藤鍈太郎とクレジットするのはおかしいのではないか?
☽ なにより納得がゆかないのは200ページ弱でカバーも付いていない本の価格がなんで6,000円もするのか?それと少し前から気になっていたのだが東都我刊我書房の本には印刷会社がどこなのかが奥付に明記されていないのもかなり怪しい。試しにあなたのお手元にある他のミステリ関係の同人出版本を見て頂きたい。『Carr Graphic vol.1 Down of Miracles』等を出している森咲郭公鳥/森脇晃の本しかりヒラヤマ探偵文庫しかり、その本がどの印刷会社でプリントされたかクレジットされているのがごく当り前というもの。なのに善渡爾宗衛らの本にはそれが無いということは・・・。
ここまで校正・校閲を無視して更にぼったくり価格の上、印刷会社を明らかにしないというのは実際に発生している製本コストがバレてしまうと、彼らにとって都合の悪い理由があるからじゃないのか?これだけの悪行三昧な本に対し嬉々として何の疑いを持たない連中、加えてこんな本の販売に加担している連中も彼らと同罪だと考えざるをえない。
(銀) 島田龍氏の名前を断りもなく自分達の本の協力者に使用したり、あげくには左川ちかの本を出版しようとした島田氏を恫喝したり、善渡爾宗衛/杉山淳/小野塚力らの存在は文学チューチュー〈注〉と呼ぶのがふさわしい。次回の記事もこいつらの悪事について述べる予定。
〈注〉 少女の自立支援という名目を隠れ蓑にして一般社団法人Colaboが日本の公金を不当に搾取している事実を、暇空茜が「公金チューチュー」と名付けた事に倣った言葉。