2021年5月19日水曜日

新刊本の店頭入荷状況に見る地方差

NEW !


   


➀ 紀伊國屋書店の場合(発売日当日)




ネットでなく店舗で本を買う人は決していなくなった訳じゃない。


過去の記事で「西日本の実店舗書店は新刊入荷がダメ過ぎて使いもんにならん」と九州の友人がボヤいていた話に触れたのだが、今はすっかり通販利用派の私も昔から不思議でしょうがない。CDなら地方のショップであっても大抵発売日に新譜が入荷するものなのに、どうして本になると大きい書店であっても、それが地方だったら発売日に新刊が並ぶシステムになっていないのか?そして早くから事前予約していても、何故やっぱり入荷が発売日より遅くなるのか?


それはおそらくトーハンとか日販とか、取次業者の都合によるものなんだろうが、21世紀になってもこんな流通の仕方が旧態然として残ったままで、少しでも改善しようとする動きが一切起きてこないのだから、きっと何かしらのヘゲモニーが横たわっているに違いない。


そもそも現在新刊が店頭に並ぶのに、各都道府県によってどれ位の差が発生しているのだろう?そこで全国展開している書店のサイトを使って、各店舗のリアルタイム在庫をweb上で確認し、当blogで扱うようなジャンルに属する出たばかりの新刊について、各地・各店舗の在庫状況が一体どういう事になっているのかチェックしてみようと思う。


                  

 

調査対象店は紀伊國屋書店 webストア。
調査対象新刊は2021519日(水)発売
『恐怖 アーサー・マッケン傑作集』 アーサー・マッケン/平井呈一(訳)
創元推理文庫  1,650円(税込)。
角川文庫や文春文庫ほど初回出荷数は多くないかもしれないが、そこまで極端にマイナーな本では決してない。


今回は、発売日5月19日(水)午後に紀伊國屋のサイトでこの本を検索、
各店舗の在庫状況をひとつひとつ確認してゆく。
紀伊國屋webストアでの在庫表記の仕方は

[= 在庫あり (二冊以上あるという事らしい)
[= 在庫僅少 (一冊のみ?)
[✕]  = 在庫なし 

となっており、当blogでもそれを踏襲する。


「在庫あり」になっていても、本がまだバックヤードに置かれたままで、
売り場に並べていない時もある。
ちなみに、発売日前日(5月18日火曜)午後の時点で早々と「在庫あり」のステイタスになっていた店舗は【新宿本店】【神戸阪急店】
フラッグシップ店舗である【新宿本店】と【梅田本店】は特別扱いらしく、
通常ならどんな本でも真っ先に「在庫あり」になるのだが、
残念ながら下記にて述べるとおり、大阪の店舗の多くは今回調査ができなかった。




【北 海 道】

札幌本店 []

オーロラタウン店 [×]

厚別店 [×]

小樽店 [×]

千歳店 [×]


 

 

【宮 城】                     【群 馬】

仙台店 []                   前橋店 []

 

【埼 玉】                     【千 葉】

さいたま新都心店 []              流山おおたかの森店 []

浦和パルコ店 []                  セブンパークアリオ柏店 []

川越店 []

入間丸広店 []


 

 

【東 京】                     【神 奈 川】

新宿本店 []                  横浜店 []

Books Kinokuniya Tokyo [×]                       ららぽーと横浜店 []

西武渋谷店 []                                  西武東戸塚S.C.店 []

玉川高島屋店 []                                 武蔵小杉店 []

笹塚店 []                                    イオンモール座間店 []

大手町ビル店 []                                 イトーヨーカドー川崎店 []

イトーヨーカドー木場店 []

吉祥寺東急店 []

国分寺店 []

小田急町田店 []


 

 

【新 潟】                    【富 山】

新潟店 []                     富山店 []

 

【石 川】                    【福 井】

金沢大和店 [×]                   福井店  [] 

 

【愛 知】

mozoワンダーシティ店 []

名古屋空港店 []

プライムツリー赤池店 []


 

 

【大 阪】                    【兵 庫】

梅田本店 [-]                   神戸阪急店 []

グランフロント大阪店 [-]             加古川店 []

グランドビル店 [-]                                            川西店 []

本町店 []

京橋店 [-]

天王寺ミオ店 []                                       【岡 山】

高槻阪急店 [-]                                                 クレド岡山店 [×]

堺北花田店 [-]                                               エブリイ津高店 [×]

泉北店 [-]

アリオ鳳店 [-]

大阪府は緊急事態宣言発令に伴う臨時休業にて在庫の開示が停止されている店舗がある。



 

 

【広 島】                                              【徳 島】

広島店 [×]                    徳島店 [×]

ゆめタウン広島店 [×]                                 ゆめタウン徳島店 [×]

ゆめタウン廿日市店 [×]

 

【香 川】                     【愛 媛】

丸亀店 [×]                    いよてつ髙島屋店 [×]



 

 

【福 岡】                       【佐 賀】

福岡本店 [×]                    佐賀店 [×]

天神イムズ店 [×]

ゆめタウン博多店 [×]                【長 崎】

久留米店 [×]                    長崎店 [×]

 

【熊 本】                       【大 分】

熊本はません店 [×]                 アミュプラザおおいた店 [×]

熊本光の森店 [×]

 

【宮 崎】                     【鹿 児 島】

アミュプラザみやざき店 [×]                            鹿児島店 [×]



この記事の左上にupした店舗MAPを見ると、紀伊國屋の場合は西日本のほうが若干店舗が多く、栃木以北の東北方面は勢力が弱い印象を受ける。それはさておき、こうしてチェックする限り、やっぱり東日本のほうが新刊の入荷が早いのは厳然たる事実のようだ。岡山から西は入荷している店舗がひとつも無いのに、【札幌本店】はもう入荷している。

昔の単行本の奥付を見ると、定価とは別に地方価という若干高い価格が載っていた。都心から遠い土地には配送にコストがかかる、という理由なんだろうけど、そりゃないよな。今でこそ本の地方価は無いけれども、なんで西日本はここまで新刊の入荷が遅くなるのだろう?【札幌本店】に入荷しているのなら【福岡本店】だって入荷しててもおかしくないのに。


                  


これはあくまで紀伊國屋書店のパターンであって、他の書店だとどうなるか?
興味深いので、この新刊入荷状況調査は条件を少し変えて、またやってみたい。