123頁上段6行目 「そうで、そうです。」→ × 「そうです、そうです。」→ 〇
244頁6行目 「同署」→ × 「同書」→ ○
浜田知明はたしか校正業が本業だった筈だが、ちゃんとテキストの最終チェックしているのか? 収録作の方針も含めてますます信用できない。
但し、「正史生誕百十年」にかこつけて言葉狩りテキスト及び(山前譲が関わった数冊を除き)元々あった解説も新しい解説もないという最悪の横溝本「金田一耕助ファイル」の不良在庫へ杉本一文の旧版文庫に使われていたイラストをまるでカラーコピーしたような雑な画質のカバーを掛けただけの角川文庫よりはまだ全然マシ。出版芸術社はこんな中途半端なセレクトにするぐらいなら、金田一もの、由利・三津木ものを除くノン・シリーズの探偵ものを全て読めるように詳細な校訂で網羅すればよかったのに。 装幀がダサい「ふしぎ文学館」の『鬼火』も一旦バラして再編集するとかして。角川が横溝正史に対して誠意が全くないのは誰の目にも明白なのだし。
今度リリースされる映画『犬神家の一族』(76)ブルーレイも相変わらず最善のリマスターではないという前評判ではないか? タイアップすれば売れるなど、もはや前世紀の発想にすぎない。この本も岡山県真備町での珍妙なコスプレ・イベントを意識してこんなんなっちゃったのかね?『横溝正史研究』といい本書といい、安易な連動商売はやめてくれ!
(銀) これだけAmazonのレビューで散々言い続けたせいか、由利・三津木ものを纏めた(ジュブナイルは除く)「由利・三津木探偵小説集成」とノン・シリーズの短篇探偵小説を纏めた「横溝正史ミステリ短篇コレクション」がいずれも柏書房から刊行された。あまりにも遅すぎる集成仕事だったし、あれは日下三蔵が動いたから実現できた訳で、決して正史研究者達のおかげではない。