『ツイン・ピークス』(以下、TPと略)っぽい。直球の謎解きものではないのは1話でYES/NOランプが出てきた時点ですぐ判る。どうやらこの話の南熱海は天国と現世の狭間の異次元・・・というのがオンエア終了後の多くの視聴者の推測らしい。なるほどそれなら5話のサブタイトル「消失の危機」の意味も肯ける。だけど非常に実験的なストーリー展開だけに、本当にそれが 正解だろうか?
TPの場合は現実と異次元(ロッジ)の区別がハッキリしていたし、まあ伏線と謎はそこそこ回収された。しかるに『熱海の捜査官』はどうか?
▽ 5話冒頭、何かに覚醒して海へ向かう東雲麻衣(三吉彩花)の行動はフェイクだったのか?
▽ 市長室にいた甘利市長(団時朗)より偉そうな老人は何者?
▽ カセットテープの画像に映る風宮巧(ネタバレになるので役者名は伏せる)の腕と、
あの男(上に同じ)の腕では星の位置が左右逆では?(ノベライズ本では左手に統一)
▽ ボトル・メッセージの発信者は最終回を見ると月代美波(佐倉絵麻)ではなくあの人?
▽ ラストで北島紗英(栗山千明)を残して光の中に消えた星崎剣三(オダギリジョー)は?
この時、胸元に不吉なネズミ大将があるという事は・・・?
あ~、毎週リアルタイムで7話までは普通に見れてたのに、録画を数回再見してもこのザマ、 TPの比じゃない最終回の不可解ぶり。桂東さん(ふせえり)が毎回星崎に仕掛けるしょーもない罠(イタズラ)と消失三少女のプチ・ヌードが見れるのが唯一の救いか。
蛇川方庵(小野栄一)チュッパチャプス婆さん(新屋英子)など、デヴィッド・リンチ並みに 怪優を揃えた処は素晴らしいし、東京事変の主題歌もGood。オカルト風味にして結末を曖昧に するやり方は別にダメではない。ただ本クール全8話でこのまま完結するのはあまりに惜しい。
「脱力サスペンス」と謳ってはいても、前半濡れた背徳ムードが思わせぶりだっただけに、 そこを活かして三木聡とテレ朝は是非「次」を作って欲しい。でもなるべく早くしないと十代の役者達は成長期だから容貌が変わっちゃうよ。
(銀) 永遠の森学園の生徒を演じていた若手俳優の中で、一番メインの役だった三吉彩花ではなく当時2chでニセ宮崎あおいなどと呼ばれていた二階堂ふみと、美形な山崎賢人よりもチョイ役で毎回二階堂ふみにどつかれていた染谷将太、その後メキメキ出世していったのはこの二人 だった。
栗山千明好きの自分としては、二十代という一番彼女が輝いていた時期にフルヌード写真集を 出して最強の『神話少女』のカラダで魅了してほしかった、と心から思っている。