2020年7月14日火曜日

『真山仁が語る横溝正史~私のこだわり人物伝』

2010年7月26日 Amazonカスタマー・レビューへ投稿

角川文庫
2010年7月発売


★      出版社としての良心はないのか



△ 真山仁が語る横溝正史 

▲ 第一章 今こそ「獄門島」を読め!

▲ 第二章 逆境に燃えた小説家魂

▲ 第三章 名探偵金田一耕助

▲ 第四章 時代を超越した小説 対論/角川春樹

▢ 短編再録「猫館」「蝙蝠と蛞蝓」「百日紅の下にて」

△ あとがき




語り手の真山仁/NHK教育(現・Eテレ)スタッフへの批判では決してないのは明言しておく。角川書店の刊行物は何故いつもこう安易なのだろう?

 

 

2008年夏オンエアされた「私のこだわり人物伝 横溝正史」のNHK出版から出ていた副読本が版元品切になったので文庫化されたようだが、改稿加筆したとあるも別に特記すべき点は無い。むしろ図版は減っている。これならNHK出版のオリジナルの方がマシで、本書で新しく知った読者に不親切この上ない。正史の短篇も入っているが、レア作品みたいなものをせめてひとつでも収録していれば本書の価値も少しは違っただろうに、今回追加された金田一短篇は目新しくないばかりか、またいつもの言葉狩りテキスト。同時発売された山田風太郎の私のこだわり人物伝の文庫はテキスト改悪は無いらしいのに、編集方針に全く一貫性がない。

 

 

光文社文庫『江戸川乱歩全集』テキストを底本にした乱歩文庫を乱発したり、角川は他社の褌を借りただけで安価なら何でもいいのか?自社オリジナルのアイデアを考える編集者は一人もいないのか?メディアミックス大好きの角川なら、本書の元となった(番組オンエア時に使用した)往年の正史TV出演番組のフルサイズや映画ゲスト参加等の現存する映像・音源全てを収録したDVDを発売するとか考え付かないのか?

 

 

これから横溝正史を読もうと思った方へ。杜撰な仕事で定評のある角川文庫はよせ(山前譲監修のものは除く)。現行本なら扶桑社/出版芸術社/東京創元社/論創社の本を。それか安い古書の方がまだいい。






(銀) NHKでは時々ドラマ以外にも乱歩や正史の特集番組を制作するが、乱歩の番組にしょっちゅう大槻ケンジや佐野史郎といったタレントをキャスティングするのはいい加減止めてもらいたい。そんな素人考えだから「江戸川乱歩は池袋の旧乱歩邸土蔵を〝幻影城〟と呼びました」などと、立教大学や池袋地区の一部の無知な人間がバラまいた〝事実ではないこと〟を声高に発言させ、番組中にて大恥を晒すことになる。

 

乱歩や正史の番組を作るなら、タレントではなく乱歩・正史の専門家だけを起用するのが本筋では?