今回初めて読んだものの中では最晩年の作とされる「マウア」に最もショックを受けた。官能描写が全然無かった訳ではないシュオッブだが、レズビアンがここまで睦みあう、脳髄がトロトロになりそうなエロスを筆にしていたとは。
本書の刊行を喜びつつもひとつ頭によぎったのは、国書刊行会の本に限らず他社でも散見される事ではあるが、どんなに優れた本でもハンパなく高額だったりその大きさが相当重かったりするケースが近年増えて、本好きの人でさえ購入を躊躇する場合がない訳でもない。
マニア以外の人が気軽に買ってみるには本の売り方の敷居が高く、世知辛い世の中になったなあと少し思ったりもする。私も海外の作家にはなるべく手を出さないよう控えているので正直この価格には迷ったが、結局は購入して良かった。それというのも幻想・怪奇・妖術そしてSF、時代でいうなら太古から中世そして近代と、あらゆる時空を駆けるシュオッブの魔力だろうか。私のような門外漢でさえこれほど満足なのだから、好きな人には宝のごとき書物となりましょうぞ。
(銀) 自分の文章ではないので勝手にこのBlogには転載できないが、Amazonに投稿された本書レビューの中でMaxさんというシュオッブに詳しそうな方がこんな事を書いている。
▼ 本書は全集と謳っているが、実は収録漏れの作品があること
▼ 翻訳に使う原書はどの版を使ったのかが書かれていないこと
私は原文を用いて訳の正確さをチェックできるような能力は持ち合わせていないが、国書刊行会の本だからといって鵜呑みにしてはいけないという警告である。ここで最も重要視したいのは三番目の▼だ。問題点を指摘して☆1つの書評を書いたら何が悪いというのだろう? Maxさんは自分のレビューをAmazonのレビュー管理担当者に不当削除されたので改めて☆4つにしてもう一度投稿したら、その☆4つレビューだと削除されずに今でも見ることができている。「参考になった」票も多く寄せられてなによりではあるが、何で同じ文章のレビューが☆1つだと削除され☆4つだとOKなのか?
ホラネ、だから言ったでしょ?たかがレビューひとつとってもAmazon.co.jpは信用ならない企業だってことが。同じ目にあっている多くのレビュー投稿者は殆ど声を上げないだけで、真面目な感想を書いてレビュー投稿したって、何が気にくわないんだが知らんがアチラさんの不都合な事実を書くとなんでもかんでもすぐ削除。逆に、本当のことは何も書いていないまるで詐欺のようなレビューは絶対に消されることはなく、むしろAmazonのほうで「参考になった」票をプラス操作している。これが「地球上で最もお客様を大切にする企業」とか平気でほざいている企業の実態ですヨ。