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伊和新聞
2024年6月~2025年3月連載
★★★★ デキる人を世間は放っておかない
三重県名張に拠点を置き、毎週土曜日発行されるタブロイド判両面一枚の地方紙『伊和新聞』。そこで昨年六月より中相作は「乱歩あれこれ」を連載していたのだが、『伊和新聞』は九十八年の歴史にピリオドを打ち、三月末をもって休刊。それに伴い「乱歩あれこれ」も終了することとなった。
この連載、近い将来一冊の形に纏められるのか、あるいは河岸を変え、どこかの媒体にて再始動するのか、今は不明。ただ伊賀地域・奈良県ローカルの新聞ゆえ、当該地に住んでいない人は氏がこのような連載を続けていたことに気付いていない可能性もあり、このまま時が経つと忘れ去られてしまうかもしれない。そうならぬよう、各回の副題だけでも当Blogに記録しておきたいと思った。江戸川乱歩研究家と郷土史家、二つの顔が中相作にはある。『伊賀一筆』や『うつし世の三重』とも重なる乱歩と三重県(=名張市)の繋がりを主題に執筆された「乱歩あれこれ」。笑いの要素はほぼ無し。
〈1〉 乱歩じまい始めました 令和6年4月6日号
〈2〉 Kさんによる乱歩谷崎比較 令和6年4月13日号
〈3〉 市立図書館建設促進運動 令和6年4月20日号
〈4〉 川崎秀二が乱歩文庫提唱 令和6年4月27日号
〈5〉 反響を呼んだ講談社版全集 令和6年5月11日号
〈6〉 幻に終わった乱歩記念館 令和6年5月18日号
〈7〉 市立図書館の乱歩文庫 令和6年5月25日号
〈8〉 自伝に見るふるさと名張 令和6年6月1日号
〈9〉 大正三年夏 川崎克と乱歩 令和6年6月8日号
〈10〉先生と呼ぶ唯一の人 令和6年6月15日号
〈11〉無断退職して伊豆を放浪 令和6年6月22日号
〈12〉東京から大阪 さらに鳥羽へ 令和6年6月29日号
〈13〉島の女先生と手紙を交換 令和6年7月6日号
〈14〉古本屋からラーメン屋へ 令和6年7月13日号
〈15〉職を求めて川崎克を頼る 令和6年7月20日号
〈16〉お役所勤めは長つづきせず 令和6年7月27日号
〈17〉しくじり重ね位牌にお詫び 令和6年8月3日号
〈18〉秀二が勧めた参院選出馬 令和6年8月10日号
〈19〉推理作家協の協賛で講演会 令和6年8月24日号
〈20〉乱歩イベントあれこれ回顧 令和6年8月31日号
〈21〉生誕130年記念事業概要 令和6年9月14日号
〈22〉津藩に仕えた平井家七代 令和6年9月21日号
〈23〉岸宏子さんの「不熟につき」 令和6年9月28日号
〈24〉影絵で描いた名張藤堂家 令和6年10月5日号
〈25〉名張のまちでどう生きるか 令和6年10月12日号
〈26〉上野に住んだ平井家三代 令和6年10月19日号
〈27〉名張を舞台に「乱歩誕生」 令和6年10月26日号
〈28〉伊豆伊東で見つけた祖先 令和6年11月2日号
〈29〉津藩の殿様に水をかけた娘 令和6年11月12日号(ママ)
〈30〉乱歩生誕地碑除幕六十九年 令和6年11月23日号
〈31〉冷川御前と四代藩主高睦 令和6年11月30日号
〈32〉新たに結んだ藤堂家との縁 令和6年12月7日号
〈33〉日本推理作家協会賞報告 令和6年12月14日号
〈34〉57歳で訪れた生家の跡地 令和7年1月1日号(ママ)
〈35〉平井家七代 陳就の生涯 令和7年1月11日号
〈36〉平井分家初代 繁男の生涯 令和7年1月18日号
〈37〉平井繁男長男 太郎の誕生 令和7年1月25日号
〈38〉祖先と生地 発見の奇縁 令和7年2月1日号
〈39〉生誕地碑と二銭銅貨煎餅 令和7年2月8日号
〈40〉初心に戻ってインタビュー 令和7年2月15日号
〈41〉死にそうになった思い出 令和7年2月22日号
〈42〉乱歩邸の蔵に入った思い出 令和7年3月1日号
〈43〉目録三冊が完成したので 令和7年3月8日号
〈44〉蔵びらきからまちなか再生 令和7年3月15日号
〈45〉細川邸整備と乱歩記念館 令和7年3月22日号
〈46〉宣言症候群に便乗して終了 令和7年3月29日号
乱歩じまい進行中と言いつつ、いまだ御本人は江戸川乱歩について考察したいテーマをお持ちのように見受けられる。それは書籍の姿に昇華され、我々のもとへ届くだろうか。お台場のテレビ局ほど地に落ちてしまった探偵小説の業界で、唯一私が楽しみに待てることと言ったら中相作の仕事だけだ。
(銀) 前にどこかの記事で書いたかもしれないが、『探偵小説四十年』ばりの超大作でなくていいから、中相作自伝みたいなものも読んでみたい。若い頃の読書体験、父君のこと、秋田實や笑いのこと・・・でも人外境主人は大変慎み深いので、実現は相当に難しい。誰か氏をその気にさせる勧め上手な人はいないものかな。
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